■作品名 宮城教授の家
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■特徴 「宮城教授の家」は1953年に竣工した清家清氏(1918〜2005年)の設計による住宅である.「森博士の家」(1951年)や「斎藤助教授の家」(1953年)などと並ぶ,清家氏の初期の代表作のひとつである.宮城教授は東京工業大学の心理学の教授で,2005年に亡くなられる直前までこの家に暮らしていたということ.今回,取り壊しが決定されたが,関係各位のご厚意により2007年5月に再撮影し,ここに再録することとした.また,竣工当時に東京工業大学清家研究室を卒業し,現場を訪れたことのある林昌二氏に再訪していただき,後日当時についてのインタビューをお願いした.
「宮城教授の家」は清家氏がはじめて手がけたコンクリートブロック造で,10×10mの正方形の平面をもつ一室空間の住宅である.鉄筋を曲げてつくったハブマイヤートラスを井桁状に架けた上に鉄筋コンクリート造の陸屋根を載せ,開閉可能なトップライト(屋内から操作する)が設けられていた.ちなみにオリジナルの状態ではハブマイヤートラスの交点に立つ4本の柱はなかったが,1995年阪神淡路大震災の惨状を見た清家氏自身が指示して加えたという.