2006年4月発売
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集合住宅を
ユニットから
考える


渡辺真理+木下庸子



判型:B5判/184頁・カラー68頁
発行:株式会社 新建築社
定価:2,520 円(本体2,400円)
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本書は,戦後日本の住まいを,集合住宅という側面から多様な軸で再考するものです,nLDKに画一化されていた集合住宅市場がデザイナーズマンション人気などにより多様化へ加速し始めた2000年,ユニット平面を並べることで何かが見えるのではないかという企画で,『新建築』誌にて連載「集合住宅をユニットから考える」がスタートしました.以降,計12回にわたり著者の渡辺真理+木下庸子両氏がさまざまなテーマで建築家にインタビューをし,ユニット平面・写真と共に掲載してきました.その全編を書籍化するにあたり,建築家北山恒氏,西沢立衛氏との座談会,近作の集合住宅を加え再構成しました.
51C型や「晴海高層アパート」など1950年代の作品から現代の話題作まで100を超える作品を収録し,設計当時の逸話や建築家の設計思想を解き明かしています.また1980年〜1990年代の作品は,2章にわたって約50作品の平面を並べることで,時代性や多様性が見えてくるものになっています.
「集合住宅」というビルディングタイプをタイトルに冠しつつも,単一機能の建築物の形式だけを探るのではなく,建築や都市全般について,多角的な視点からの著者のメッセージが込められています.集合住宅を設計する建築家のみならず,企画運営する不動産関係の方など都市のつくり手全般に,ご一読いただきたい書です.


目次


序文  
座談会1 北山恒 × 渡辺真理 × 木下庸子
多様化する集合住宅をめぐって──アフタースプロール時代の都市の住まい
第1章 今なぜ住戸平面を見直すのか? そして50年代のパイオニアの作品が今なぜ新鮮に見えるのか?
第2章 30年前に予見され実現された都心型居住と郊外型居住のかたち
「ヒルサイドテラス第1期」と「桜台コートビレジ」
第3章 公団住宅の標準設計プランから学ぶもの
第4章 接地型あるいは低層集合住宅の今日的意味
「茨城県営水戸六番池団地」と「中島ガーデン」
第5章 「レイクショア・ドライブ・アパートメント」もすでに半世紀前の事件なのである
第6章 エスアイって何?
第7章 ポスト・コミュニティ時代の集合住宅のあり方を「ハイタウン北方北ブロック」で考える
第8章 集合住宅の80年代
第9章 集合住宅の90年代
第10章 賃貸と分譲の間 ポスト「住宅双六」時代
第11章 「住まいを開く」ための方法論──山本理顕的想像力
第12章 オルターナティブ・ハウジングの展望──「環境」、「家族」そして「参加」
座談会2 西沢立衛 × 渡辺真理 × 木下庸子 
脱・集合住宅の時代──住まうための環境づくりへ
あとがきにかえて
著者紹介  
付録1 nLDKよさらば──公営住宅のゆくえを岐阜県営住宅ハイタウン北方に探る(『新建築』9805掲載記事)
付録2 予言としての建築型 ──山本理顕の建外SOHOの意味するもの(『新建築』0407掲載記事)

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