『丹下健三』 丹下健三・藤森照信 著 限定2,500部
丹下健三さんは、世界的にもっとも有名な日本人建築家であるにもかかわらず、これまでの歩みはあまり知られていません。刊行された自伝は簡単なものでしたし、作品集も新作紹介といった趣の強いもので、その作品の思想的な背景にまで踏み込んだものはありませんでした。しかし、この『丹下健三』は建築家・丹下健三の決定版ともいえるべきもので、ビジュアルな側面から見ても、読み物としてのおもしろさからいっても、資料性という面から考えても、これまで出版されたあらゆる丹下健三関係の書籍を凌駕する内容になっています。
本書は作品紹介と評伝から構成されています。作品紹介にはオリジナルプリントを用いているほか、今まで発表されることのなかった作品の原図なども掲載されています。また、評伝は東京大学教授で建築史家の藤森照信さんの手になるもので、執筆には7年ほどがかかりました。単なる文献調査にとどまらず、丹下健三さん本人をはじめ、ご家族、また故・高山英華さんをはじめ清家清さん、石元泰博さん、大谷幸夫さん、川添登さん、神谷宏治さん、槇文彦さん、菊竹清訓さん、磯崎新さん、渡辺定夫さん、川口衞さん、黒川紀章さん、谷口吉生さんといったゆかりの人びとへのインタビューが、その文章に圧倒的なリアリティーを与えています。その分量、400字詰め原稿用紙約1,200枚。「ミケランジェロ頌」をはじめ丹下健三さんの主要な論文も引用されており、知られざる全貌がここに明らかになります。
丹下健三さんのこれまでの歩みは、日本近代建築の歩みそのものであるといっても過言ではありません。激動の20世紀、われわれは何を考え、何につまずき、いかにして今日にいたったのか。この本を読んで考えていただきたいと思っています。
評伝見出し
第1章 |
生い立ち |
第2章 |
学生時代 |
第3章 |
修業時代──前川事務所にて |
第4章 |
戦時下のデビュー |
第5章 |
戦争の果て |
第6章 |
焼け野原にて |
第7章 |
広島ピースセンター |
第8章 |
柱梁の系譜 |
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第9章 |
シェルの系譜 |
第10章 |
壁との格闘 |
第11章 |
彫刻的表現 |
第12章 |
東京オリンピックプール |
第13章 |
東京計画1960 |
第14章 |
都市と海外への転身 |
第15章 |
新都庁舎コンペ──帰ってきた丹下 |
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主な収録作品
広島平和記念カトリック聖堂
広島ピースセンター
住居
東京都庁舎
清水市庁舎
津田塾大学図書館
倉吉市庁舎
香川県庁舎
広島子供の家
愛媛県民館
図書印刷原町工場
駿府会館
旧草月会館
墨会館
今治市庁舎・公会堂
電通大阪支社
熱海ガーデンホテル
倉敷市庁舎
WHO(世界保健機構)本部計画
日南市文化センター
戸塚カントリークラブ・クラブハウス
香川県立体育館
東京カテドラル聖マリア大聖堂
戦没学徒記念館
国立屋内総合競技場
25,000人のためのコミュニティ計画
東京計画1960──その構造改革の提案
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東京計画1986
築地再開発計画
山梨文化会館
スコピエ都心部再建計画
静岡新聞・静岡放送東京支社
日本万国博覧会会場・基幹施設計画
ミネアポリス・アート・コンプレックス
ボローニャ・フィエラ地区センター
サウジアラビア王国国家宮殿
キング・ファイサル財団コンプレックス
シンガポールのオフィスビル群
グラン・テクラン(パリ・イタリア広場)
ナポリ市新都心計画
ナンヤン工科大学
セーヌ左岸都心計画
サイゴン・サウス・プロジェクト
草月会館
赤坂プリンスホテル新館
横浜美術館
東京都新庁舎
愛媛県県民文化会館
シンガポール・インドア・スタジアム
新宿パークタワー
ニース国立東洋美術館
東京ドームホテル
フジテレビ本社ビル
BMWイタリア本社ビル
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その他
展覧会の会場構成や舞台装置
全作品の主要データ
日本および世界の作品分布地図
経歴
主な著作・論文
体裁●特製本/写真2色・4色刷/ケース付
判型●278×278mm
総頁●518頁
定価●29,925円(本体28,500円)(送料別)
部数●限定2,500部
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