素材と細部のつくりは裏切らない。
建築技術の先端は、構造を脱して素材と細部のつくり込みへと突入しているが
その現状がこの一冊に入っている。
知らずに設計、できようか。
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本書は、建築や製品の「モノづくり」の現場まで遡上し、材料や工法についてカタログには載っていない生の話を聞き、この目で見てくることを実践した著者(ゼネコン現場監督経験者であり、藤森研究室に在籍した歴史家であり、アトリエを主宰する設計者)による体験レポート集です。
「モノづくり」の現場まで遡上して見直すことで、日頃漠然と感じているような疑問に対する答えを見つけ、カタログ仕様の守備範囲を越えて「この製品であんなことはできないか? こんなふうに使えないか? 特別な寸法や仕様のものは製作可能なのか? コストは?」といった新しい視界を切り開くものです。 |
「見聞録」ですので、建築書にありがちなカタイ文章ではなく、非常に読みやすい文章になっています。
また、著者によるスケッチと豊富な写真により、内容を分かりやすくしています。
本書は、月刊『新建築』2002年1月号〜2004年12月号までの不定期連載記事をまとめ、ボーナストラックとして、新規記事、対談を加え、書籍として新たに再構成したものです。 |
著者:大嶋信道(おおしま・のぶみち)
建築家。1960年鳥取県生まれ/1984年武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業/建設会社勤務を経て、1990〜94年東京大学生産技術研究所藤森照信研究室/1991年大嶋アトリエ設立/2003年〜武蔵野美術大学非常勤講師
現場監督、歴史家、建築家と、三つの目を併せもつ類い希な人物です。 |