『浦辺鎮太郎作品集』 新刊書

浦辺鎮太郎は、郷土倉敷をこよなく愛し続けた建築家である。「倉敷国際ホテル」など倉敷スタイルといえる独自のデザインを生み出し、近代と対峙しながら、風土性を感じさせるヴァナキュラー建築をつくり続けた。また、紡績工場を再生した「倉敷アイビースクエア」は、今日的な課題であるリニューアルや環境にいち早く立ち向かった作品である。そのほか本書で紹介されている30作は、浦辺が1950年代から‘80年代にかけて創作した主要作品で、どれも浦辺の真骨頂が発揮された独自の建築であり、新鮮である。
論文は、緻密な検証に基づいて長谷川尭が書き下ろした労作で、建築家像に加えて浦辺鎮太郎の人間像を鮮やかに描出している。
近代とは違った角度から未来を示唆する好著である。



作品

倉敷考古館増築 1957
旅館くらしき改造 1957
日本工芸館 1960
倉敷レイヨン岡山第二工場 1960
石井記念愛染園女子単身者住宅・
愛染橋保育所
1961/1962
愛染橋病院 1965
大原美術館分館 1961
倉敷国際ホテル 1963
倉敷ユースホステル 1965
浜幸ビル 1966
両備バス西大寺ターミナル 1966
東京女子大学研究本館 1967
西鉄グランドホテル 1969
千里阪急ホテル 1970
紀伊風土記の丘・松下記念資料館 1971
黒住教新霊地神道山大教殿
「太陽の神殿」
1974
ホテル日航成田 1978
三州足助屋敷 1980
六高記念館 1980
日本女子大学成瀬記念館 1984
倉敷レイヨン中央研究所 1968
倉敷公民館/旧倉敷文化センター 1969
倉敷市民会館 1972
倉敷アイビースクエア 1974
倉敷市庁舎 1980
倉敷中央病院 1957-81
大佛次郎記念館 1978
横浜開港資料館 1981
神奈川近代文学館 1984




作ですから------魂をみる 伊藤ていじ
浦辺哲学の薫陶------着眼大局着手小局 松村慶三
浦辺鎮太郎と倉敷------50年へた市庁舎 辻野純徳
浦辺鎮太郎と建築------技師・建築家「不易流行」 長谷川尭



版型:250mm×257mm
総ページ:180頁
定価:8,400円(本体価格:8,000円)品切れ


企画・発行:浦辺太郎 浦辺真郎 浦辺徹郎
編集:馬場璋造 臼田哲男
発売:株式会社 新建築社