・・・無責任なワンルームであればいいというわけではない.住み方は居住者にまかせるというワンルームの住宅は,結局は居住者のそれまでの記憶がそのまま固定化するだけである.できるなら,彼らのその思想を最大限まで評価するようにつくりたい.・・・諸室はさまざまに使われる.それをどう使うかは使う側の勝手だと思う.でも,その基本的な性格は,空間の相互の関係で決定的になってしまうように思うのである.たとえばこの住宅の個室ゾーンと家族室のゾーンとを入れ替えたら,この住宅の性格はまったく一変してしまうと思う.つまり,空間の配列がその建築の性格を決定しているのである.空間の配列というのは,単純にいえばその建築と外部との関係である.・・・(山本理顕「住宅という施設」/『新建築 住宅特集』1996年1月)


鎌倉の住宅 (1993-1995)
所在地 神奈川県鎌倉市
主要用途 専用住宅
敷地面積 365.84m2
建築面積 125.35m2
延床面積 153.43m2
構造 木造
規模 地上2階
最高高 5,880mm
設計 山本理顕設計工場
構造設計 SIGLO建築構造事務所
設備設計 団設備設計事務所
施工 三長工務店
竣工 1995年5月


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