これまでの集合住宅はひとつの住宅が独立した単位であることを前提に計画されてきた.設計者の役割はそれらをどう並べるか,つまり住戸の配置とプランのバリエーションを考えることだけだった.それを実現させたのは各住戸の扉だろう.鉄の扉一枚でほぼ完璧な密室空間ができ上がる.私たちは密室空間を少しでも外側に開きたい,入口周辺をフレキシブルにしたいと考えた.そこを事務所やギャラリーにも使うならば,必ずしも鉄の扉である必要はなくなるからだ.そのために,従来とは逆に水回りを窓側に配置する.するとお風呂は見晴らしがよく,乾燥室としても使えるし,風呂場経由の採光でも室内は明るい.これはそれらを実践した新潟のワンルームマンションの計画である.


バンビル (2000-2001)
所在地 新潟県新潟市
主要用途 集合住宅 店舗 事務所
敷地面積 278.29m2
建築面積 214.69m2
延床面積 1,565.99m2
構造 鉄筋コンクリート造 一部鉄骨造
規模 地上8階
最高高 29,110mm
設計 山本理顕設計工場
構造設計 構造計画プラス・ワン
設備設計 団設備設計事務所
サイン 廣村デザイン事務所
施工 吉田組
竣工 2001年5月


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