計画の大枠は,社会的な条件で決まってしまった.フルスペックで形態規制された最大ヴォリュームに,最大戸数の親切すぎる行政の基準に守られた賃貸ワンルームを取るという条件は,リスク,コストのマネージメントからの要請である.極端にいうと社会や都市の構成の一部でありながら,同時にそのリプレゼンテーションとなるフラクタルな関係といえるのかもしれない.

多数の条件を均等に並べることは容易だが,それぞれが矛盾するほどに複雑な条件整理において単に住居空間を効率的に考えては衝突,発散して結晶することが困難であった.エステティックに良好な空間,空隙を形成すべきというメタな条件を導入し,すべての室のすべての壁がリンクして動きまわる様を眺めながら,以下を合理的に予定調和させるデザインを行った.


等々力の集合住宅 (2001-)
所在地 東京都世田谷区
設計 豊田恒行/豊田土建+高橋邦明・内村綾乃/A studio
構造設計 久米弘記建築構造研究所
設備設計 明野設備研究所
施工 豊田土建+幹建設
敷地面積 333.21m2
建築面積 179.95m2
延床面積 733.72m2
各階面積
地階 64.48m2
1階 145.82m2
2階 166.12m2
3階 172.40m2
4階 119.83m2
5階 65.07m2
住戸面積 25.01〜37.34m2
建ぺい率 54%(許容:55%)
容積率 186%(許容:200%)
構造 鉄筋コンクリート造
規模 地下1階 地上5階
最高高 14,850mm
地域地区 第1種中高層住居専用地域
 第2種高度地域 風致地区
住戸タイプ 民間,賃貸(ワンルーム)
住戸数 19戸
竣工予定 2003年5月

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